東海科学機器協会の会報

No.357 2016 新年号

平成27年度TKK技術見学会報告

サントリー山崎蒸溜所

見学会実行委員長 島津 達

9_1 NHK連続テレビドラマ「マッサン」で話題となりましたウイスキーの歴史を訪ね、11月27日(金)に会員企業様から総勢20名のご参加を得てサントリー山崎蒸溜所を訪問しました。

 サントリー山崎蒸溜所は、寿屋(現サントリー)の創業者である鳥井信治郎氏が日本人の繊細な味覚に合ったウイスキーづくりにかける熱い思いから1923年に建設に着手した日本初のモルトウイスキー蒸溜所です。建設地となった山崎の地(大阪府三島郡島本町)は、良質で豊富な地下水と湿潤な気候でウイスキー熟成に欠かせない条件を満たしており、特に万葉の歌にも詠まれた山崎の水質は当時のスコットランドの醸造学の権威であったムーア博士が絶賛されたそうです。蒸溜所の敷地内を流れる澄みきった小川の清流はとても印象的でした。

 まずセミナー室で蒸溜所の歴史についてレクチャーを受け、続いてガイドの松山様による蒸溜所の見学へと進みました。ウイスキーは以下の工程を経て製造されます。

(1)仕込み
 厳選された二条大麦を発芽・乾燥させた麦芽を細かく砕き、仕込水とあわせ仕込槽へ。麦芽中の酵素でデンプンが糖に分解された後にゆっくりろ過して澄んだ麦汁をつくる。

(2)発酵
 ろ過した麦汁を発酵槽に移し、酵母を加える。酵母は麦汁の糖を分解してアルコールと炭酸ガスに変えてウイスキー特有の香味成分をもった発酵液「もろみ」をつくる。
 今回は、特別に普段は見学者が立ち入れない木桶発酵槽の中も見せていただき、槽内では大量に発生している炭酸ガス泡とともにウイスキーの良い芳香が漂っていました。

(3)蒸溜
 発酵でできたもろみを巨大な蒸溜釜「ポットスチル」で2度蒸溜し、アルコール濃度の高い無色透明なモルトウイスキー(ニューポット)が生まれる。

(4)貯蔵
 蒸溜したてのニューポットを樽に詰めて長時間熟成させる。詰める樽の大きさや形状、材質、気候風土や貯蔵庫内の保管位置などで香味は複雑に変化する。この工程でウイスキーは樽の色素により琥珀色に染まる。
 貯蔵庫内に整然と積み上げられた樽を見ながら、複雑な樽醸成の奥深さを感じました。

(5)ブレンド
 見学行程にはありませんでしたが、樽で熟成されたウイスキー原酒はブレンダーにより厳選・配合され、製品化される。

9_2 蒸溜所見学終了後、7種類のウイスキーを試飲させていただきました。グレンフィデック12年、マッカラン12年、ボウモア12年、ラフロイグ12年、オーヘントッシャン12年、山崎、白州。アイル島産はスモーキーで強烈でしたが、それぞれの土地に根付いた個性的な味わいを楽しめました。

 また、おいしいハイボールの作り方を教えていただきましたので皆様に紹介致します。①グラスに氷をたっぷり入れる。②ウイスキーを適量注ぎ、水を足さずにかき混ぜる。③キリッと冷えたソーダを氷に触れないようにゆっくり加える(1:3程度)。④炭酸ガスが逃げないようにマドラーで縦に1回混ぜる(完成)。是非お試しください。

 今回の見学会で学んだウイスキーづくりの原点や脈々と引き継がれる創業者の熱い思いに触れながら飲むウイスキーは、一段と味わい深いものになると思います。

 最後に、今回の見学会に多大なご支援いただきましたサントリーコーポレートビジネス㈱西部支社長 松方専務様をはじめ、サントリーフーズ㈱井本課長様他、サントリー関係者の皆様には厚く御礼申し上げます。