東海科学機器協会の会報

No.376 2020 秋号

かきゃあ あんたも 森林浴

壽工業株式会社 代表取締役社長 伊藤 眞也

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 「暇だ」休日になるとそう考えてしまう。元来、出不精でコロナの影響のためか休日の外出とい
う友人からのお誘い、家族からの命令(?)がなくなってホッとしていたのだが、これほど長く続く
と、冒頭の「暇だ」という思いが頭をもたげてくる。そこで運動不足解消を兼ねてウォーキングが
できるところへ出かけようと思い立った。車で15分ほどの距離に小幡緑地があり、そこへ暑がる孫
と一緒にでかけることにした。
 駐車場に着き、車のドアを開けると、熱気が体を包み込み、外へ出て熱中症は大丈夫かと心配
になるほどであったが、暑がっていた孫はなんともないような様子で、遊具のある広場へ駆け出し
ていったことに驚いた。しかし日差しが強いおかげで、大人でも触ることができないくらいに遊具
は熱く、孫から遊ぶことができないと、不満顔を私にぶつけてきたところで、森の中へ行こうと
誘った。
 この小畑緑地の本園にはウォーキングコースとして「土の道」や「木の道」などがあり森林浴が
充分に満喫できる様になっている。このコースはほとんどが木陰となっていて、足を一歩踏み入れ
ると、ひんやりとは行かないまでも打ち水をしたように涼しく、空気も清澄になったように感じら
れ、孫もこの雰囲気を感じているようで、不思議な顔をしながら素直についてきた。孫と一緒に木
や草を見たりしてゆっくりと歩いていると、やはり土の道を歩くより、草の上を歩いたほうが涼し
いことに気付かされ、この小幡緑地には池もあるが、周りに日の当たる場所が多く、木陰は少ない
ので、池の周りでも暑く感じてしまう。そうこう考えているうちに次第に汗ばんで来て、1時間ほど
ウォーキングをしていたことに気付かされた。水筒を持参していたとは言え、熱中症防止を考え切
り上げることにし、嫌がる孫をなだめて帰路についた。
 運動不足解消のため、今回は小幡緑地へでかけたのだが、それ以上に森林浴の効果なのか、精
神的にリフレッシュできたと実感することができた。当然ながらその日は熟睡することができ、明
日への活力のもととなったのは言うまでもない。

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