かきゃ~あんたも ちえの輪
株式会社テクノ西村 加地敬治
新世紀を迎え、東海科学機器協会の会員様におかれましては、大いなるステップアップの21世紀になりますことと思います。日本の経済も大きな借金を抱えたままで新世紀を迎えました。これはつけの先送りであり何らの問題解決をしないままでの予算処置であります。本当にこのままでいいのでしょうか、いつかどこかで大きな反動がくるような気がしてなりません。
さて世間話はこのくらいにして、本題に戻りたいと思います。
昔、小生がまだ若かったころ、ちえの輪なるものを親から買ってもらったことがありました。なかなか難しく幾度も挑戦して制覇すると、今度は新しい物を買ってもらい、また挑戦したものでした。丸い物、三角の物、四角い物など簡単そうに見えても結構難しくなかなかできなかったことばかりが記憶に残っております。ちえの輪を解く為に見る方向を変えてみたり、持つ手を変えてみたり、あれやこれややってみたものです。
このちえの輪を解くことが、今の営業にも多少似たところがあるように思うようになりました。
物作り(製造業)では、知識と技術があれば商品を作ることができます。いつかNHKにて放映されていたソニーの紹介の中でも、技術を持った町工場がいかに世界のソニーになったか、それにはちえを持った営業の活躍が語られておりました。いくらいい商品を作り上げてもそれを売る手段がないと、それは商品ではなくなってしまうのです。
顧客のニーズを知り、どのようにして商品を知らしめ、売っていくか。そのために幾度とない市場調査、顧客調査、その結果を持ってアタック。また違った方向からの調査、いろいろな攻め方を変えてみて再度アタック。この繰り返し。これがちえの輪ではないでしょうか。なかなか解けないちえの輪。でもこの解けないちえの輪を解いた時の喜びは、何物にも変えがたく、満足感があり充実感があるものでした。
“人間は考える葦である”と、パスカルがいっているように、私は人生が一生勉強だと思っております。時代とともに変化する環境にいかについていけるか、またついていこうとするか、この先の時代を先取りする為には何をすればいいのかなど、知識はいくらでもいろいろなところから得ることができますが、ちえはなかなか他から入手することは困難です。自ら考え自ら行動してこそ得られるものです。
21世紀には、このちえを大いに生かして日本の経済成長の一端を担うことができれば幸いに思います。