〔会員だより〕 聖歌隊と仲間
日立キャピタル㈱ 鈴木隆弘
社会人になり、早いもので1年の歳月が過ぎました。仕事や社内の雰囲気にも少しなれ、早く一人前になれるよう、悪戦苦闘する毎日です。そんな日常で時折、ふと思い出すことがあります。それは、大学時代一番力を注いだ聖歌隊での日々です。
私は、仙台の大学に通っていました。初めての土地、初めての一人暮らし、周りに頼れる人もおらず、不安な日々を送っていました。そんな時、友人に誘われて行ったサークル見学で出合ったのが聖歌隊でした。最初は、私自身歌が好きなわけでも、神様を信じているわけでもなかったのであまり興味はなく、入部するつもりはなかったのですが、初めて賛美歌の合唱を聞いた瞬間、入部を決めました。それは、個々がうまいというだけではなく、全員の声が絶妙に混ざり合いとても美しく、今まで出合ったどの音楽とも違う、厳かで神秘的な雰囲気を感じたからです。そこから、私の4年間に及ぶ聖歌隊ライフがスタートしました。
そもそも聖歌隊とは、教会や礼拝堂、キリスト教系の学校の中にあり、聖歌を歌うことを目的とした団体で、神様への感謝と賛美を歌うために存在しています。よって、学校での礼拝やクリスマス礼拝等で神様に祈りを捧げ、賛美の歌を歌います。私の所属していた聖歌隊ではそれ以外にも、近隣の小学校や教会で歌ったり、クリスマスシーズンには、イベントや遊覧船など校外でも活動していました。
そんな聖歌隊での活動の中で一番心に残っているのは、2年生の時の定期演奏会です。聖歌隊では、毎年2年生が主体となり、演奏会を一から企画し発表しています。歌の練習はもちろんそれぞれが役職に就き半年掛けて準備をします。最初は、曲選びや演奏会の構成など、みんなで和気あいあいと話し合い、とても楽しく私自身ウキウキしていました。しかし、時が経つにつれ和気あいあいとした雰囲気はがらりと変わり、毎日の夜遅くまでの練習や、意見の違いから喧嘩すること、先輩から厳しく指摘されるなど辛いことだらけでした。真剣に辞めようかと悩みましたし、逃げ出したい気持ちでいっぱいでした。しかし、壁にぶち当たった時は、みんなでとことん話し合い、協力して乗り越えてきました。そして、演奏会本番での最後の曲を歌っている最中、今までの辛かった思いや、達成感からみんなで泣いてしまいました。これは一人では味わえない感覚だと思いますし、逃げ出さずみんなと頑張ってきて良かったと思える瞬間でした。
私は仕事においても仲間と協力し、どんな高い壁も乗り越えていきたいと考えています。協力することにより、目標を達成した時には仲間とも喜びを共有することができるので、喜びが2倍にも3倍にもなると思います。そんな仕事ができるよう、日々努力し走り続けていきたいと思います。