東海科学機器協会の会報

No.278 1999 10-12月号

99年TKK 秋の親睦旅行会レポート

第1日目 11月12日(金)

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  折からの小雨の中、バスは名古屋テレビ塔下駐車場を定刻の8時30前に出発した。お天気とは裏腹に、車内は参加28社29名の会員らの笑顔に満ちた交流の場が併せて発車となった。業界人でも「お久し振り!」と相互に挨拶を交わす面々の多さに、TKK懇親旅行の意義が伺える一時でもある。
 市街を抜けると浅野器械店・浅野懇親旅行実行委員長より参加お礼の挨拶。「今回は、大阪科学機器展参観を計画に織り込み、日程が従来の土日から金土の一泊旅行となりました。曜日の加減か参加者が幾分少ないが、その分車内もゆとりがある。この機会に、ゆっくりと会員同士の親睦の実をあげていただきたい。」
 続いてダルトン・細居事業所見学委員長より「大阪科学機器展の参観を、本年度の事業所見学といたします。予定の時間を駆使して十分に情報を仕入れて下さい。」と挨拶があり、旅行引き受け会社の東急観光添乗員から日程の詳細説明を受ける頃には既に、バスは名神高速道路一宮インターに向かっていた。
 高速道に乗りしばらくして車内にて会員の自己紹介がマイクを通して行われた。これは夜の宴会冒頭に例年行われていたが、宴会時間を精一杯とるために、本年からあらかじめ車内で実施された。会員会社の約半数が名古屋の支店であったりするために、人事異動で新たに参加される会員にとっては大切なプログラムでもある。
 バスは第一の目的である“インテック大阪”に到着するまで阪神高速の渋滞に阻まれ30分余の遅れをとったが、先達隊の岡野副理事長との電話連絡で無事会場近くの昼食場所に到着。早々に展示会場入りした。
 会場入り口では中川大阪科学機器協会理事長ら、役員の皆様のお出迎えを受け、展示会場事務局で歓迎の挨拶をいただいた。
 約2時間の見学の後、南港北インターに入れば高速道を渡り歩き、昨年完成した「明石海峡大橋」経由、今夜の泊地「洲本温泉・ホテルニュー淡路」に向かう。阪神高速の道標には「洲本45km」の案内があり、一瞬バスが“海を渡る”奇異と錯覚を覚える。


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 あいにくの曇天で瀬戸内の景観は望むべくもないが、それでもわずか5分ほどて走り抜ける明石海峡大橋は壮大なオブジェであり土木建設工学先端の結晶でもあろう。重ねてエンジニアの頭脳と、施工したプロジェクト要員の季節、昼夜を問わない長期に渡る艱難辛苦の粋が見え隠れする。本土と島の架け橋の持つ意味も大きなものがあるが、高速で通過する数分に凝縮するには余りに言い尽くせぬものが残る。

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 これより「阿波に至る道」即ちここは兵庫県淡路島。しばらくするうちにバスは今夜の出湯「洲本温泉」着。秋の日暮れはつるべ落とし、の如くとっぷりと夜の帳が降りていた。 バスの長旅を温泉で癒し、定刻18時30分にTKK・津坂理事長の挨拶で待望の懇親宴会の開催となった。乾杯はコイケ理化・小池社長。宴会気分も盛り上がりを見せてほどなく紫紺のTKK旗が中央に掲げられた舞台では、郷土芸能「三熊踊り」が地元の人達10余名によって披露された。阿波踊りが物語になっており、時にはひょうきんな仕草に宴席が笑いのるつぼとなる反面、人形浄瑠璃の見事な繰りに杯を止めて人形の表情にうっとり見とれたりのエンターテイメントであった。

恒例のカラオケ大会も10人の歌手が喉を競い、参加者一同酒席で一体となった。2時間の宴は岡野副委員長の定番となった一本締めでめでたく閉会。余韻を残して各部屋同士の懇親へと散会した。
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第2日目 11月13日(土)
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 朝8時30分、宿の仲居さんらに見送られバスは発車。淡路道を福良港に向かう。港に待っていたのは渦潮観潮船「咸臨丸」384トン。もちろん勝海舟が乗った船ではないが、それを模した観光船。昨日とは一変した好天に恵まれ、潮風が心地良い。幾分干満の時間のずれがあったにも関わらず、それでも巧みな船内放送に従い目をやると、海面のあちこちに渦潮が散見された。蜷局を巻く海面、吹き上げるかの如き海水。自然の不思議を見る思いであった。
 見学の最後は「北淡町震災記念公園」。平成7年1月17日午前5時46分に発生した阪神・淡路大震災は死者6,400人という戦後最大の被害をもたらした。私達も震災のニュースで田舎の小さな街「北淡町」の名を幾度となく耳にした。

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 時の地震によってこの街10kmに渡る断層の一部に屋根が架けられ「野島断層」そのものがありのままに保存・展示されている。部分的に断層が掘り下げられ、地層のずれを間近に見ることもできた。自然の脅威をまざまざと見せつけられることとなった。

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  秋の陽光の中、眩しく光る海を眺めながら明石海峡大橋麓にある淡路ICエリア・ハイウエイオアシスで地ビールと共に昼食。あらためて眼前に展開する大橋の絶景を土産に一路、名古屋に向かう。
 2日間に渡る懇親の旅は事故もなく参加者一同、無事夕刻名古屋着。楽しい思いを胸に抱いて散会となった。

(朝日テクニグラス 各務隆弘)