東海科学機器協会の会報

No.279 2000 1月号

2K・年頭に際して

東海科学機器協会 監事 各務 隆弘(朝日テクニグラス株式会社)


あけましておめでとうございます。

 TKK会員の皆様方には、佳き新年の幕開きを迎えられたことと存じます。
 昨今の話題はミレニアムに終始した年でした。世界のクリスマス、新年は街も人心も殊更ルミネッセンスに輝き、それぞれの新年を感慨深く迎えたことでしょう。
 「世紀末」も「ミレニアム-millenium」になると、俄然お洒落な響きがします。不景気をよそに2000年のカレンダーを見るだけで、何か明るい明日が開ける思いがするのは不思議です。
 昨秋の話ですが、思い立ってシンガポールの「CIA99」※の参観に行って参りました。時期も11月の末で、この祈り一昨年に続きクリスマス・イルミネーションコンテストも見る事が出来ました。ご承知のように多民族国家だけに、中国系、マレー系、インド系、又は英国系のそれぞれの暦が共存して、正月気分は3ケ月に及びます。とりわけクリスマス・西暦の新年は観光客誘致の好機でもあり政府観光局※※の肝いりでオーチャードは勿論マリーナ地区に及ぶまで、夜ともなると街明かりをモノともしない光と彩色イルミネーションの世界が交錯して流れ、巻き上げ、点滅する「光」の競演が見られます。
 この光の渦中には喧噪も争いも無い虚構ながら、さながら夢の国への御招待の趣があります。自身のことで恐縮ですが、1945年生まれにとって戦後我が国のリストラクションが始まった年に生を受け、以来朝鮮動乱を起点にかなりの勾配で右肩上がりの国勢といっても過言でないほどの半世紀でもありました。これはまさに国際経済の中で日本が、如何に一等国たる煌めきを蘇らせるかの「光」の競演に奔走した歴史を、偶然にもシンガポールの夜に見る想いでもありました。
「ミレニアム」の語彙から「想像上の黄金時代」であったのかも知れません。他方この単位の側面から見れば僅か5%にしか及ばない時間の経過を経験して、結局7~8%の生とするならば、100年の計ではなく、せめて1000年の計の中で考え自身が何を残せるのか、会社として次世代に何が残せるのかにしても、おやである。
 ……などとY2Kを初夢に託し、昨年よりは今年。今年は又来るべき21世紀の為に相も変わらず狂奔西走する幕開けとなりそうでもあります。昔人曰く「回るコマは倒れない」の如く。
 皆様の年頭所感は如何でしょうか、文字通り確かに輝く2000年になりますように。
 本年もどうぞよろしくご指導お引き回しの程お願い申し上げます。

※ChemAsia99・InstrumentAsia99・AnalabAsiaの他、ENVIRONMEXasia99 とWATERMEXasia99が併催された国際会議と展示会で構成されている。次回は2001年11月13日~16日。 Singapore International Convention & ExhibitionCentre にて

www.int-acc.or.jp/singapore/